土地購入の手続きと流れを順番に解説|初心者向けガイド

こんにちは。こだま司法書士・土地家屋調査士事務所です。

土地購入の手続きの流れを調べている方は、買付から売買契約、住宅ローン、決済、所有権移転登記まで、どの順番で何を確認すればよいのか不安なのではないでしょうか。土地は建物と違い、境界、接道、私道、越境、地目、住宅ローン、税金などを契約前に確認しておかないと、購入後に「思っていた家が建てられない」という問題につながることがあります。

この記事では、土地購入の手続きと流れを、注文住宅用の土地を買う場面を中心に整理します。土地探し、買付証明書、重要事項説明、売買契約、ローン審査、決済、登記、境界確認、登録免許税、印紙税まで、初めての方でも全体像をつかめるようにまとめます。正確な税率や制度要件は公式サイトをご確認ください。最終的な判断は専門家にご相談ください。

  • 土地購入の手続きの全体の流れ
  • 売買契約前に確認する境界・接道・越境
  • 住宅ローンと決済・所有権移転登記の関係
  • 登録免許税・印紙税・住宅ローン控除の注意点

土地購入の手続きの流れを知る

土地購入は、土地を探して終わりではありません。購入意思を示し、売主と条件を調整し、重要事項説明を受け、売買契約を締結し、住宅ローンや決済の準備を進め、最後に所有権移転登記を行う流れになります。

土地探しと資金計画

土地探しでは、価格や場所だけでなく、建てたい家が建てられる土地かを確認します。注文住宅を予定している場合は、土地代金だけで予算を使い切らず、建物本体工事、付帯工事、外構、地盤改良、登記費用、税金、住宅ローン費用まで含めて資金計画を立てることが大切です。

土地購入前に現地で不動産担当者から説明を受ける夫婦

土地の登記記録には、所在、地番、地目、地積、所有者、抵当権などの情報が記録されています。法務省は、不動産登記について、土地や建物の所在・面積、所有者などを公の帳簿に記録して取引の安全を図る制度と説明しています。登記の全体像を確認したい場合は、不動産登記の種類と手続きも参考になります。

土地購入の予算は「土地代金だけ」で見ないこと

土地を買った後に建物を建てる場合、土地先行融資やつなぎ融資、建物の着工金、中間金、地盤調査費用、建物表題登記、所有権保存登記、抵当権設定登記などが関係します。金融機関や建築会社によって必要な資料と時期が違うため、早めに確認しましょう。

買付証明書と条件交渉

購入したい土地が見つかったら、売主や仲介業者へ買付証明書、購入申込書などを提出することがあります。ここには購入希望価格、契約希望日、引渡希望日、ローン利用の有無、手付金の予定額などを記載するのが一般的です。

買付証明書は、多くの場合、購入意思を示すための書類であり、売買契約そのものではありません。ただし、申込金の扱い、キャンセル時の返金、交渉期限、他の買付との優先順位などは取引ごとに違います。書面名だけで判断せず、何に合意しているのかを確認してください。

住宅ローンを利用する場合は、この前後で金融機関の事前審査を進めることが多いです。土地だけを先に買う場合、建物の計画や見積書がないと審査が進みにくいことがあるため、ハウスメーカー、工務店、不動産会社、金融機関の段取りをそろえる必要があります。

重要事項説明と売買契約

売買契約の前には、宅地建物取引業者が関与する取引であれば、宅地建物取引士から重要事項説明を受けます。重要事項説明では、登記記録、法令上の制限、道路、私道負担、上下水道、契約解除、契約不適合責任、手付金、ローン特約などを確認します。根拠法令は、e-Govで確認できる宅地建物取引業法です。

土地売買契約前に重要事項説明の資料を確認する夫婦

売買契約では、手付金、残代金の支払日、引渡日、境界明示、測量の有無、越境物の扱い、ローン特約、固定資産税等の精算方法を確認します。ローン特約がある場合でも、解除できる期限や必要な手続を過ぎると、手付金や違約金の問題が生じることがあります。

契約前に確認したい主な項目

  • 登記名義人と売主が一致しているか
  • 抵当権など、決済時に抹消すべき登記があるか
  • 境界標、地積測量図、境界確認書があるか
  • 建築基準法上の道路に接しているか
  • 私道負担、通行・掘削承諾、セットバックがあるか
  • 隣地からの越境、隣地への越境があるか

住宅ローン審査と金消契約

住宅ローンを利用する場合、事前審査の後、売買契約書や重要事項説明書、本人確認書類、収入資料、物件資料などをそろえて本審査へ進みます。本審査では、買主の返済能力だけでなく、土地や建物計画の担保評価、建築予定、ローン特約の期限なども関係します。

土地を先に買って後から建物を建てる場合、土地先行融資、分割実行、つなぎ融資などの選択肢が出てきます。金利、返済開始時期、手数料、抵当権設定の時期は金融機関によって異なります。土地購入の手続きだけを急ぐと、建物完成までの家賃と返済が重なることもあるため、資金繰りを具体的に確認しましょう。

本審査に通過したら、金融機関と金銭消費貸借契約、いわゆる金消契約を結びます。ここで融資金額、返済期間、金利タイプ、融資実行日などが具体化します。抵当権設定登記が必要な場合は、司法書士が決済当日の登記手続に関与することが一般的です。

決済・引渡し・所有権移転登記

決済日には、買主が残代金を支払い、売主が登記識別情報または登記済権利証、印鑑証明書、固定資産税関係資料などを準備し、司法書士が本人確認と登記書類の確認を行います。金融機関で決済する場合は、融資実行、売主への送金、抵当権抹消、所有権移転、抵当権設定が同じ日に連動します。

土地購入の決済と所有権移転登記の書類を確認する様子

売買で土地の所有者が変わる場合は、所有権移転登記が重要です。法務省の案内でも、登記記録の権利部には、誰が、いつ、どのような原因で所有権を取得したかが記録されるとされています。売買、贈与、財産分与など原因別の名義変更を確認したい場合は、原因別に確認する不動産の名義変更もあわせてご覧ください。

売主側の住宅ローンが残っている場合は、決済日に抵当権を抹消してから買主へ移転する流れになります。抵当権が残ったままでは買主や金融機関が安心して取引できないため、抹消書類の確認が欠かせません。抵当権の抹消については、抵当権抹消登記サポートで詳しく整理しています。

土地購入の手続きで確認する注意点

土地購入では、契約書に署名する前の確認がとても大切です。特に、境界、接道、越境、建築条件、個人間売買、税金は、購入後に気づいても簡単に直せないことがあります。

境界・接道・越境の確認

土地を買う前には、境界標、地積測量図、境界確認書、現地の塀や擁壁、隣地との高低差を確認します。公簿面積と実測面積が違うこともありますし、境界標が見当たらない土地もあります。境界が曖昧なまま購入すると、建物配置、外構、塀、駐車場、将来の売却で問題が出ることがあります。境界標が見当たらない場合は、境界杭が見つからないときの確認手順も参考にしてください。

土地購入前に境界付近を測量機器で確認している様子

接道も重要です。建築基準法では、建築物の敷地と道路の関係について規定があります。見た目は道路でも、建築基準法上の道路に該当しない場合や、幅員が足りずセットバックが必要な場合があります。根拠法令は、e-Govで確認できる建築基準法です。

隣地の屋根、雨樋、枝、ブロック塀、配管、電線などが越境している場合は、撤去するのか、将来建替え時に解消するのか、覚書を作るのかを契約前に検討します。境界確認や測量が必要な場合は、土地測量・境界確認の相談へ、上空の越境に悩む場合は土地境界線の空中越境も参考になります。

建築条件付き土地と個人間売買

建築条件付き土地は、一定期間内に指定された建築会社と建築工事請負契約を結ぶことを条件に販売される土地です。期間内に請負契約が成立しない場合の扱い、手付金や申込金の返還、建物プランの自由度、追加費用の発生条件は、契約書で必ず確認してください。一般的な説明だけでなく、その土地の契約条件を読むことが大切です。

個人間売買では、仲介手数料を抑えられる可能性がある一方、重要事項説明書、売買契約書、境界確認、ローン審査、税務上の時価、契約不適合責任を自分たちで整理する必要があります。金融機関によっては、宅地建物取引業者が作成した重要事項説明書を求めることがあります。

現金一括で購入する場合でも、登記、境界、契約不適合責任、税務上の資金原資の確認は残ります。親族間で相場より低い価格にする場合や、贈与資金を使う場合は、税理士や税務署への確認が必要です。

登録免許税・印紙税・諸費用

土地購入では、土地代金のほかに、手付金、仲介手数料、印紙税、固定資産税等の精算金、登記費用、登録免許税、司法書士報酬、住宅ローン事務手数料、保証料、火災保険料などが必要になることがあります。金額は売買価格、固定資産税評価額、融資条件、依頼内容によって変わります。

国税庁の令和8年4月資料では、土地の売買による所有権移転登記の登録免許税について、軽減税率1.5%の適用期限が令和11年3月31日までと案内されています。また、住宅用家屋の所有権保存登記等や住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権設定登記の軽減措置は、令和9年3月31日までとされています。詳しくは国税庁|登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせをご確認ください。

売買契約書の印紙税については、国税庁が、不動産の譲渡に関する契約書のうち契約金額が10万円を超えるものについて、令和9年3月31日まで軽減措置の対象になると案内しています。金額区分ごとの税額は、国税庁|不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置で確認できます。

費用 主な内容 確認する相手
登録免許税 所有権移転登記、抵当権設定登記などでかかる国税 司法書士、法務局、国税庁資料
印紙税 売買契約書や建築工事請負契約書に貼る印紙 不動産会社、税務署、国税庁資料
固定資産税等の精算 引渡日を基準に売主と買主で按分することが多い費用 不動産会社、売主
測量・境界確認費用 境界確認、確定測量、地積更正などが必要な場合の費用 土地家屋調査士
登記の専門家報酬 所有権移転、抵当権設定、建物完成後の登記など 司法書士、土地家屋調査士

住宅ローン控除と税務確認

土地を先に買ってから住宅を建てる場合、住宅ローン控除の対象になるかは、建物の性能、床面積、居住時期、借入期間、土地取得と建物新築の時期などによって変わります。国税庁は、令和4年1月1日から令和7年12月31日までに居住の用に供した場合の住宅借入金等特別控除について、要件や提出書類を案内しています。詳しくは国税庁|住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合をご確認ください。

記事作成時点で、国税庁の上記ページは令和7年4月1日現在法令等として案内されています。令和8年以降の居住分、住宅ローン控除、贈与税、不動産取得税などは、今後の税制改正や自治体の案内で扱いが変わる可能性があります。税務判断は司法書士や土地家屋調査士だけで完結できないため、税務署や税理士へ確認してください。

また、土地購入後に税務署から不動産取得資金に関する照会が届くことがあります。親族からの援助、贈与、借入、自己資金、住宅ローンの内訳を説明できるよう、通帳、契約書、贈与契約書、ローン関係書類などを保管しておくと安心です。

よくある質問

土地購入の手続きはどのくらいかかりますか?
土地探しを除くと、買付から決済まで1か月から数か月程度で進むことがあります。ただし、住宅ローン、測量、境界確認、建築条件、売主側の抵当権抹消、農地転用などが絡むと長くなることがあります。
買付証明書を出したら必ず買わないといけませんか?
多くの場合、買付証明書は購入意思を示す書類で、売買契約書とは別です。ただし、申込金やキャンセル時の扱いは取引条件によって異なるため、提出前に書面の内容を確認してください。
土地だけを住宅ローンで先に買えますか?
金融機関によって、土地先行融資、分割実行、つなぎ融資などの扱いがあります。建物の計画や見積書、請負契約が必要になることがあるため、土地の申込み前に金融機関へ相談するのが安全です。
境界確認は必ず必要ですか?
すべての土地で確定測量が必須とは限りません。ただし、境界標がない、地積測量図が古い、隣地と塀や越境でもめている、建築計画に余裕がない場合は、契約前に土地家屋調査士へ相談した方がよいことがあります。
土地を買った後、建物の登記も必要ですか?
新築建物が完成した場合は、建物表題登記や所有権保存登記が関係します。土地購入の所有権移転登記だけで、建物の登記まで完了するわけではありません。新築時の表示登記については、建物表題登記をご確認ください。

土地購入の手続きと流れまとめ

土地購入の手続きの流れは、土地探し、買付、事前審査、重要事項説明、売買契約、本審査、金消契約、決済、引渡し、所有権移転登記という順番で進むのが一般的です。ただし、実際のスケジュールは、住宅ローン、建築計画、境界確認、売主側の抵当権抹消、契約条件によって変わります。

特に注意したいのは、契約前の確認です。境界や接道に問題がある土地、越境物がある土地、建築条件付き土地、個人間売買、親族間売買では、後から修正しにくいリスクが隠れていることがあります。

土地購入で、登記、境界、建物計画、住宅ローン、税務のどこから整理すればよいか迷う場合は、個人情報を入力せずにこだま相談ナビで相談内容を整理することもできます。正式な依頼や税務判断の前に、まず論点を分けて確認していきましょう。

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