こんにちは。こだま司法書士・土地家屋調査士事務所です。
土地家屋調査士の仕事内容を調べていると、測量をする人なのか、登記をする人なのか、司法書士や測量士と何が違うのか、少し分かりにくいですよね。うん、名前だけでは仕事の範囲が見えにくい資格だと思います。
この記事では、土地家屋調査士の仕事内容について、表示登記、土地や建物の調査測量、境界確認、筆界特定、資格試験、他士業との違いを整理します。正確な情報は公式サイトをご確認ください。最終的な判断は専門家にご相談ください。
- 土地家屋調査士が扱う表示登記
- 土地と建物に関する主な仕事内容
- 境界確認、筆界特定、ADRの違い
- 司法書士、測量士、弁護士との役割分担
土地家屋調査士の仕事内容
土地家屋調査士は、不動産の物理的な状況を調べ、測り、登記記録の表題部へ反映させる専門家です。最初に、表示登記、土地、建物、境界の4つに分けて見ていきましょう。
表示登記を扱う仕事
土地家屋調査士の中心業務は、不動産の表示に関する登記です。土地家屋調査士法では、土地家屋調査士は不動産の表示に関する登記と土地の筆界を明らかにする業務の専門家として、不動産に関する権利の明確化に寄与する使命を持つとされています。根拠は、e-Govで確認できる土地家屋調査士法です。
不動産登記には、大きく分けて表題部と権利部があります。表題部は、土地なら所在、地番、地目、地積など、建物なら所在、家屋番号、種類、構造、床面積などを記録する部分です。権利部は、所有権や抵当権などの権利関係を記録する部分です。
土地家屋調査士は、主に表題部に関係する調査、測量、図面作成、表示に関する登記申請代理を担当します。所有権移転や相続登記、抵当権設定などの権利に関する登記は、原則として司法書士の領域です。
土地に関する登記
土地に関する仕事では、土地の形や利用状況、筆の単位を登記記録へ反映させます。代表的なものは、土地を複数に分ける分筆登記、複数の土地を一つにまとめる合筆登記、実際の利用状況に合わせる地目変更登記、登記上の面積を現地や測量成果に合わせて見直す地積更正登記などです。
分筆登記では、境界確認や測量が重要になります。隣地所有者との立会い、既存資料の調査、現地測量、図面作成などを積み重ねて、法務局へ申請する資料を整えます。土地の境界確認については、土地測量・境界確認の相談でも詳しく整理しています。

ただし、すべての土地の相談がすぐ分筆や地積更正になるわけではありません。売買、相続、建築計画、隣地との関係、金融機関の条件などによって、必要な手続きは変わります。
建物に関する登記
建物に関する仕事では、新築した建物、増築や用途変更があった建物、取り壊した建物などを登記記録に反映させます。代表的なのは、建物表題登記、建物表題部変更登記、建物滅失登記です。

建物表題登記は、新築建物や未登記建物について、建物の所在、種類、構造、床面積などを登記簿の表題部に記録する手続きです。詳しい流れは、建物表題登記の手続きで確認できます。
建物を取り壊した場合は、建物滅失登記が問題になります。解体や焼失などで建物が存在しなくなった場合の手続きは、建物を解体した後の建物滅失登記も参考になります。
境界確認と測量
土地家屋調査士の仕事内容として、多くの人がイメージしやすいのが境界確認と測量です。現地で測量機器を使って土地や建物の位置を測り、法務局の資料、地積測量図、過去の測量成果、隣地所有者の認識などを照らし合わせます。
境界には、公法上の境界である筆界と、所有者間で問題になる所有権界があります。日常会話ではどちらも境界と呼ばれますが、実務上は分けて考える必要があります。境界線を越える屋根、枝、雨樋などの相談は、土地境界線の空中越境も関係します。
土地家屋調査士は、測量だけでなく、隣地所有者への立会い依頼、現地説明、境界確認書の作成など、人との調整も多く行います。ここが、単なる図面作成だけではない難しさです。相手方が立会いに応じない場合の選択肢は、境界立会いを拒否されたときの解決手続で確認できます。

筆界特定とADR
境界について隣地と話し合いがまとまらない場合、筆界特定制度やADRが問題になります。土地家屋調査士法では、筆界特定手続についての代理や、書類作成、相談が業務として定められています。
筆界特定制度は、法務局の筆界特定登記官が、外部専門家の意見も踏まえながら、対象土地の筆界を特定する制度です。一方、土地家屋調査士会のADRは、境界問題について話し合いによる解決を目指す手続きです。日本土地家屋調査士会連合会は、ADR境界問題相談センターを案内しています。
境界をめぐって撤去請求、損害賠償、土地の明渡し、強い対立がある場合は、土地家屋調査士だけで完結しないことがあります。訴訟や紛争性のある交渉は、弁護士への相談が必要です。
他士業との違い
土地家屋調査士、司法書士、測量士、弁護士は、似た場面で関わることがあります。ただし、担当する業務は違います。
| 専門家 | 主な役割 | 相談例 |
|---|---|---|
| 土地家屋調査士 | 表示登記、調査測量、境界確認、筆界特定手続 | 分筆、地積更正、建物表題登記、建物滅失登記 |
| 司法書士 | 権利に関する登記、相続登記、抵当権登記 | 不動産の名義変更、相続登記、抵当権抹消 |
| 測量士 | 測量法に基づく測量業務 | 公共測量、現況測量、測量計画 |
| 弁護士 | 法律紛争、交渉、訴訟代理 | 境界紛争、損害賠償、撤去請求 |
表示登記と権利登記の違いを全体から確認したい場合は、不動産登記の種類と手続きも参考になります。
土地家屋調査士の仕事内容と資格
土地家屋調査士は、現場作業、資料調査、図面作成、登記申請、人との調整が重なる仕事です。ここからは、仕事の流れと実務の大変さ、資格試験、相談すべき場面を整理します。
仕事の流れと実務で大変なこと
実務の流れは、相談内容の確認から始まります。土地を売りたい、建物を新築した、建物を取り壊した、隣地との境界が分からないなど、目的によって必要な作業が変わります。
次に、法務局資料、登記事項証明書、地図、地積測量図、建築資料、過去の測量成果などを調査します。そのうえで現地を確認し、必要に応じて測量、境界標の確認、隣地所有者との立会い、図面作成、申請書類作成、オンライン申請や法務局対応へ進みます。

外で測る仕事と、事務所で図面や申請書を作る仕事の両方があるのが特徴です。現場だけでも、机上作業だけでも完結しない仕事なんですよ。
資格試験の概要
土地家屋調査士試験は、土地家屋調査士法で、筆記と口述の方法により行うとされています。筆記試験では、土地や家屋の調査・測量、不動産の表示に関する登記申請手続などの知識と技能が問われます。試験制度は年度ごとに受験案内が出るため、最新情報は法務省の案内で確認してください。
また、測量士、測量士補、一級建築士、二級建築士となる資格を有する人には、申請により一部の筆記試験が免除される制度があります。これも土地家屋調査士法に定められています。
合格率、勉強時間、講座費用、求人相場は、年度、地域、調査元、学習経験によって変わります。記事内では固定値として断定せず、受験案内や各スクール、求人情報を個別に確認する前提で考えてください。
土地家屋調査士の仕事が大変と言われる理由は、現場、法律、図面、人間関係が同時に動くからです。暑い日や寒い日の測量、草木が多い土地での作業、精度が求められる計算、CAD図面の作成、隣地所有者との日程調整など、負担は一つではありません。
特に境界確認では、相手方が不安を持っていたり、過去の近隣関係が影響したりすることがあります。専門知識だけでなく、丁寧な説明、資料の示し方、相手の話を聞く力も必要です。
一方で、不動産の状態を明確にして、売買、相続、建築、解体、空き家整理などを前に進める仕事でもあります。社会的な必要性は高い分、責任も重い仕事です。
相談すべき場面
土地家屋調査士へ相談した方がよいのは、土地や建物の物理的な状態、境界、表示登記が関係する場面です。たとえば、土地を売る前に境界を確認したい、土地を分けたい、地目を変えたい、建物を新築した、未登記建物がある、建物を解体した、隣地との境界が分からない、といったケースです。
相続した土地や空き家で境界が分からない場合も、早めの確認が役立ちます。空き家や実家の管理、売却、解体まで含めて整理したい場合は、空き家・実家の相談も確認してみてください。
どの専門家に相談するか迷う場合は、こだま相談ナビで相談内容を整理することもできます。
よくある質問
土地家屋調査士は測量士と同じですか
同じではありません。測量士は測量法に基づく測量の専門資格です。土地家屋調査士は、不動産の表示に関する登記に必要な調査測量や申請代理、筆界特定手続などを扱います。現場で測量を行う点は似ていますが、登記との結びつきが大きく違います。
土地家屋調査士は相続登記もできますか
相続による所有権移転登記は、原則として司法書士の領域です。ただし、相続した土地を分筆する、未登記建物を調査する、建物滅失登記をするなど、表示登記が関係する部分では土地家屋調査士が関与します。
境界トラブルは土地家屋調査士だけで解決できますか
境界の調査測量や筆界確認は土地家屋調査士の重要な仕事です。ただし、相手方との強い対立、損害賠償、撤去請求、訴訟が関係する場合は弁護士の関与が必要になることがあります。
建物を新築したら土地家屋調査士に相談しますか
新築建物を初めて登記する建物表題登記は、土地家屋調査士が扱う代表的な業務です。その後の所有権保存登記や抵当権設定登記は、司法書士が関与することが多いです。
土地家屋調査士の仕事内容まとめ
土地家屋調査士の仕事内容は、土地や建物の物理的な状態を調査し、測量し、登記記録の表題部へ反映させることです。土地の分筆、合筆、地目変更、地積更正、建物表題登記、建物表題部変更登記、建物滅失登記などが代表例です。
また、境界確認、筆界特定、ADRなど、土地の境界に関係する仕事も重要です。現場で測る力、法律を読む力、図面を作る力、隣地所有者と調整する力が求められます。
所有権移転や相続登記などの権利登記は司法書士、紛争性のある交渉や訴訟は弁護士の領域です。土地や建物の状態、境界、表示登記で迷ったら、早めに土地家屋調査士へ相談しておくと、後の売買や相続、建築、解体が進めやすくなります。